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VOL.21-12  2019年12月

  「アメリカ・ニューメキシコ州:アルバカーキ・オールドタウン

長島 弘道

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 アルバカーキのオールドタウンは、リオグランデ川の東およそ1.2qの地点に位置し、1706年にスペインが入植したことからその歴史が始まります(注)。
当時のスペイン人の街づくりは、まず教会をつくり、それに隣接して広場を設けるのが一般的であったようです。アルバカーキでは、教会の建物が1792年に夏の長雨で崩壊したが、翌年に再建される。それが現在のサンフェリペ デ ネリ教会。隣接の広場は、現オールドタウン広場。アチソン・トピカ・サンタフェ鉄道(東に約3.2km)が開通すると商業活動が活発化、ニュータウンも計画される。そこにアングロサクソン系のヨーロッパ人が移住、教会・学校が設立される。1920年代にルート66が開通すると商業地・住宅地がさらに拡大し、今日のダウンタウンが形成されました。
 アルバカーキという市の名称は、スペイン総督アルバカーキ侯爵(1655−1733)にちなんでつけられたものです。オールドタウンを歩いていると、Romero(通りの名称)、Hacienda(レストラン店名)、Patio(中庭)などのスペイン語表記が見られ、またプエブロ・インディアン伝統の日干し煉瓦造りの家屋もあり、アメリカの他の地区とは異なった印象を受けます。この地区には、博物館や各種店舗・レストラン・ギャラリーなどが数多くあり、州の歴史的遺産地区に指定されています。

注 この地を選定した要因のひとつは、牧畜に適していることであった。当初の入植者は30家族。教会の建物は、インディアンの反乱に備えて、窓の高さは地面から20フィート、壁の厚さは4フィート以上であったとのこと。
    
参考文献
The WPA Guide to 1930s New Mexico, The University of Arizona Press, 1989 (初版、1940年).
                     
 
 
写真1.サン フェリペ デ ネリ教会
 1793年建設。壁の厚さ5フィート(約1.5m)。州指定歴史的建造物。
 写真2.ドン ルイ広場(Plaza Don Luis)
オールドタウンのショッピングモール。インフォメーションセンターもある。
 
     
 
写真3.レストランHacienda(アシエンダ)
 ウイークデーの午後、ダウンタウンの大通りには人影が少ないが、ここは観光客でにぎわっている。歩道の建物寄りにはテーブルがあり、道行く人を眺めながら食事ができる。於サン フェリペ通り。

写真4.レストラン ラ プラシダ前の土産物売り  
   
 
     

写真5.パティオ(1)
 パティオには、なんとなく入ってみたいという気持ちにさせる雰囲気がある。右手前の表示: BILLY THE KID’S TRAIDING POST

 写真6.パティオ(2)PATIO ESCONDIDO
 空は一点の雲もなく、日向と日陰のコントラストが極めて明瞭。ここはかつての美術学校(1969年設立)その後はアーティスト養成所 があった。2008年に改修、現在はタウンハウス6戸と商業施設。
 
 
写真7.日干し煉瓦の家屋(1)
 骨格には木材の梁を用い、屋根は水平、壁は角をとるとのこと。 
 写真8.日干し煉瓦の家屋(2)
 いずれの家も樹木に配慮していることが伺える。
 
     
 
 写真9.アルバカーキ博物館前の彫刻の庭(1)
 スペイン人の入植の状況が具体的に理解できる。
 写真10.アルバカーキ博物館前の彫刻の庭(2)
 家族を伴っての入植。スペイン人が持ち込んだ家畜:馬、ラバ、羊、牛など。
 
     
 
写真11.アルバカーキ博物館前の彫刻の庭(3)
 牡牛に車を引かせる。 
 写真12.アルバカーキ博物館前の彫刻の庭(4)
 先住民との触れ合いの場であろうか。
 
   
 (2017年10月3日、名誉教授 長島弘道 撮影)  
   

                                              

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